中古バイクを業者等に売る時、走行距離が大事な査定基準になることは誰でも知っていること。走行距離が少なければ少ないほどバイクの状態は良いと推測されるため、走行距離が査定額に影響を与えることは仕方のないことでしょう。
中には、少しでも査定を高くする目的で、メーターに細工を加える人もいるようですが、バイク屋さんには簡単に細工がバレてしまいます。実質以上に査定額を下げられる可能性があるため、メーターに細工を加えるのはやめましょう。
たとえ走行距離が長くても、普段から愛車を大切に扱うこと。これが少しでも査定額を上げるための大切なポイントです。
走行距離が多くても愛車を大切に扱っていれば査定の印象が変わる
年式と走行距離の関係性とは?
バイクの売却時には、年式と走行距離が売却価格に影響します。年式が新しければ、技術的なアップデートが施されている場合が多く、パーツの寿命が長いことが期待できますが、走行距離が多ければ、その分パーツが摩耗している可能性があります。
一方で、年式が古くても走行距離が少ないバイクは、一見良い状態に見えますが、長期間放置されていた場合、オイルが切れていたり、サスペンションや他のパーツが劣化しているリスクもあります。
走行距離が少ない古いバイクのリスクと利点
走行距離が少ない古いバイクは、保存状態がよく見えたとしても、定期的にメンテナンスされていないと、さまざまなリスクが潜んでいます。例えば、エンジン内部のオイルが循環していないと、エンジンをかけるときにドライスタートとなり、エンジンに大きなダメージを与える可能性があります。
また、あまり乗られていないバイクは、サスペンションやパーツの動きが鈍くなり、錆びが進行していることも考えられます。
一方、古いバイクでも長期間利用されていた場合は、定期的にメンテナンスが行われている可能性があり、そのような車両はコンディションが良い場合があります。
走行距離の信頼性を確認する方法
走行距離はバイクの使用状況を示す重要な指標ですが、走行距離だけに頼ることはできません。走行距離が少ないからといって、必ずしも良好な状態とは限りません。例えば、定期的なメンテナンスがされているか、過去の整備記録が残っているかを確認することが大切です。
走行距離の改ざんをチェックするには
中古のバイクを購入する際、走行距離が改ざんされている可能性も考慮する必要があります。ここでは、走行距離が正しく記載されているか、チェックするポイントを紹介します。
整備記録の確認
過去の整備履歴が正しく記載されているか、走行距離と矛盾がないか確認します。
外観やパーツの状態
タイヤやブレーキパッド、ハンドルグリップの摩耗状態が走行距離と一致しているか確認しましょう。走行距離が少ないはずなのに、パーツが過度に摩耗している場合は、走行距離が改ざんされている可能性があります。
販売店の信頼性
信頼できる業者や個人から購入することも大切です。正規ディーラーや認定中古車販売店であれば、走行距離が改ざんされるリスクを抑えられます。
走行距離はバイク査定の大事な基準!少しでも高く売るには?
■走行距離が少ないほど査定額は高くなる
かならずしも走行距離の多さがバイクの状態に比例する訳ではありませんが、走行距離が少なければ少ないほど買取査定額は上がりやすくなります。
バイク買取の査定員は、もちろん走行距離よりも現状のバイクの状態のほうが大事であることは分かっています。しかし中古車販売市場においては、走行距離が短ければ短いほど高値で買ってくれる末端ユーザーが多いため、買取査定額でも走行距離は大事な基準となっています。
買取査定における走行距離は、一般に次の5段階に分類されると言われています。
- ・5,000km以下
- ・10,000km以下
- ・20,000km以下
- ・30,000km以下
- ・30,000km超
30,000kmを超えているバイクの場合は、何万キロであれ査定額に大きな影響を与えません。逆に30,000km以下の場合は、走行距離が査定額に大きな影響を与えます。30,000km程度の走行でバイクの性能に大きな影響があるとは考えにくいのですが、市場ではこのような発想で取引がなされている現状を理解しておきましょう。
■走行距離で査定が変わるのは日本独自の考え方
50ccのバイクも含め、日本製のバイクが数万キロ程度の走行距離で動かなくなることは、初期不良以外に、通常は考えられません。よって走行距離5,000kmのバイクと30,000kmのバイクとを比較した時、現実問題、後者のほうが状態が良いこともあります。海外では、走行距離よりも現在の状態を基準に査定額が決まる傾向があるとのこと。当然と言えば当然の発想です。走行距離が査定額に影響する理由は、日本の厳しすぎる車検制度に由来する、とも言われています。
■メーター交換をしても得することは何もない
走行距離を偽装するために、メーターを巻き戻したり、メーター交換を行なったりする人がいるようです。結論から言うと、メーターの巻き戻しや交換は、買取査定において著しい悪印象を与えるため、やめておきましょう。プロの査定人の目には、メーターをいじっていることなどお見通しです。
また、たとえメーターの巻き戻しや交換を行なったとしても、バイクの年式やタイヤの減り具体、ブレーキパッドの状況など、様々な要素を確認すれば、大方の走行距離は推測可能です。
なお、何らかのやむを得ない理由があってメーター交換等をした場合には、査定前に、かならずメーター交換を行なった旨を自己申告してください。これだけでも査定員の印象は変わります。メーター交換をしたにも関わらず黙っていると、査定額は実質以上に下げられてしまう恐れがあるので注意してください。
■減算歴車とは
「実際の走行距離よりも少ない走行距離が表示されている車両」を指します。より具体的には「メーターが巻き戻されているバイク」もしくは「メーター交換がされていて、かつ公取協が発行する交換歴シールが貼っていないバイク」ということになります。
前者の場合は走行距離をごまかすために行われることがほとんど。対して後者の場合は、旧車やカスタム車などでメーター交換を行った場合にも起こり得ます。「交換歴シール」自体も歴史が浅く、バイクショップによってはその存在すら知らないというケースもあるほど。
そのため、売却の際には確認漏れによるトラブルが起こらないよう、メーター交換の旨を伝える必要があります。
■走行距離疑義車とは
メーターを巻き戻した、あるいはメーターを交換したという明確な証拠はないものの、「正確な走行距離が表示されているがどうかは疑わしいと判断されたバイク」ということになります。
例えば走行距離が3,000kmと表示されていても、ブレーキローターやタイヤなどの消耗度合から、走行距離3,000km程度とは考えにくいという場合が該当します。
また、旧車やカスタム車などでメーター交換がされ、かつ交換歴シールが貼っていない場合も走行距離疑義車に分類されます。こちらも減算歴車と同じようにメーター交換の旨を伝えた上で買取してもらいましょう。
査定額に走行距離が影響する理由
各種パーツ消耗の可能性がある
バイクというものは走らせれば走らせるほどに、各部の消耗が進んでいきます。とえいわけ急発進や急停止、全開走行などを頻繁に行っている車両ほど、その傾向は高まります。とりわけエンジンやトランスミッション、サスペンション、タイヤ、ブレーキ周りなどは、走行距離が多い程、中古車として再販する際、メンテナンスやオーバーホールなどが必要となる場合が多くなるため、走行距離の多い車両は買取査定額がどうしても低くなりがちなのです。
エンジンへの負担が大きくなる
走行距離が多いバイクというものは、それだけエンジンが稼働していたということであり、その分だけ負担がかかっているということですが、とりわけ排気量の小さいバイクほど、その傾向が高くなります。例えば時速50kmで走る場合、125ccの原付2種はそれなりに高回転でエンジンを回さなければなりませんが、大排気量モデルであれば低回転で走行できます。つまり小排気量モデルほど、走行距離の多いバイクはエンジンへの負担が蓄積されていると判断されるのです。
車体の劣化
バイクというものは走行距離を重ねることに、それだけ劣化が進んでいくことになります。タイヤやプレーキパッド/ブレーキ―シュの消耗、サスペンションやエンジンのへたりなどが少しずつ積み重ねっていき、車両全体の劣化が進んでいきます。もちろん、同じ車種で同じ年式、同じ走行距離であっても、実際には乗り方やメンテナンスの頻度などによって、個々のコンディションは異なってきますが、それでも走行距離が多くなるほど、車体の劣化が進んでいると判断されてしまうのです。
排気量や耐久性で走行距離の評価基準は異なる
バイクというものは小排気量モデルほど、走行距離の影響が大きいと判断されますが、加えてバイクの車種やジャンル――使われ方や耐久性の傾向によっても、判断が分かれます。「走行距離が多い」と判断される目安としては、以下の指標が挙げられています。
- 50cc未満の原付1種:10,000km
- 125cc未満の原付2種:15,000km
- 250ccクラスのスクーター:15,000km
- 250ccクラスのMT車種:20,000km
- 400ccクラス全般:30,000km
- 600cc~750ccクラスのスポーツバイク: 20,000km
- 1000ccクラスのスポーツバイク: 30,000km
- 401cc以上の大型ビッグスクーター:30,000km
- 401cc以上の大型ネイキッド:走行距離40,000km
- 401cc以上の大型クルーザー:走行距離20,000km
排気量が大きい車種ほど、走行距離の影響が小さい理由
バイクというものは排気量が大きくなるほどに、最大出力や最大トルクの数値も大きくなります。逆に排気量が小さい程、出力・トルクともに小さくなるのは自明の理ですね。
例えば時速100kmで高速道路を巡行する場合、250ccクラスではエンジンをより高回転で回し続ける必要がありますが、リッターバイクであれば、より低回転で巡行速度をキープできます。一方、一般道を時速50kmで走る場合、エンジンへの負担は50ccよりも125cc、125ccよりも250cc、250ccよりも400ccの方が、それぞれエンジンへの負担は小さくなります。
そうした特性ゆえに、同じ走行距離1万kmであっても、原付1種とリッターバイクでは、エンジンにかけられてきた負担は原付1種の方がはるかに大きいということになるのです。
タイヤと走行距離の関係
バイクに装着しているタイヤの寿命というものも、バイクの走行距離と大きく関わってきます。これまた先刻ご承知の通り、バイクのタイヤは基本的には消耗品であり、走行距離が多くなるほどに劣化が進んでいくのが基本。
しかしタイヤは走行せずそのまま放置していると、表面が硬化してひび割れが発生するということもあり、走行距離が少ない場合でも、マイナス評価の要因となる場合があります。また、同じ走行距離であっても、スポーツ系バイクでサーキット走行を繰り返した場合と一般公道のみで乗っていた場合では、当然前者の方がタイヤの劣化は進んでいます。
エンジンと走行距離の関係
バイクが造られた年代やメーカーの技術力、品質管理のレベルにもよりますが、エンジンはオイル交換やプラグ交換などのメンテナンスを適宜行っていれば、「走行距離が多い」と判断される数値を超過しても、キチンと能力を発揮してくれる場合がほとんどです。
逆に走行距離が少なくても、高回転でエンジンを回し続ける乗り方をしていたり、メンテナンスをさぼっていたりすると、エンジンの状態は劣化傾向となります。とどのつまり、走行距離はそのバイクの査定を行う上で、大きな判断基準となる数値ではありますが、普段の乗り方や手入れの頻度も大きく影響するということを、踏まえておいてください。
走行距離が多いバイクを少しでも高く売る方法
・4月と7月の需要タイミングに合わせて売る
4月には、入学や入社といった新生活のイベントが集中する時期。ライフスタイルの変化により、移動手段としてバイクを選ぶ人も少なくありません。バイク屋さんでは、このタイミングで中古車が品薄となります。多少買取額を上げてでも在庫を確保しようと思う業者が多いようです。7月は会社の異動(転勤)が多い時期なので、4月と同じ理由で中古バイクの需要が増えます。また、大学生などが夏休みをきっかけにバイクを購入したがる時期でもあるため、業者は少々値段を上乗せして中古バイクを買い取ってくれることがあります。
・見た目を綺麗にしておく
たとえ同じ走行距離・同じ車種のバイクであったとしても、見た目がピカピカのバイクと、ほとんど手入れされていないサビ付いたようなバイクとでは、全く査定額が違います。実際、見た目がピカピカの場合は、普段からバイクの扱いが丁寧であることが推測されます。手入れが雑なバイクに比べれば、扱いの丁寧なバイクは、その後の寿命も長くなるでしょう。
・時々エンジンをかけておく
バイクを数ヶ月放置していると、エンジンがかからなくなることがあります。いざ査定してもらうに及び、エンジンのかかりが悪いバイクは、査定の印象も悪くなるでしょう。乗らないバイクは放置せず、最低でも1週間に1度はエンジンをかけるようにしておいてください。
【まとめ】日ごろから愛車を大事に扱うことが大切
走行距離が多いバイクは、その分、査定額を下げる理由になります。バイクの状態の良し悪しとは別に、この点は理解して買取査定をお願いしましょう。しかし、たとえ走行距離が多くても、普段から大事に乗っているバイクは査定の印象も良くなります。大事なバイクを少しでも長持ちさせるよう、また、将来的に少しでも高い価格で買い取ってもらえるよう、日ごろから愛車を大事に扱うようにすることが大切です。
